コスト・コントロールについて

フォードモーターは車の組み立てをコンベア方式へとシフトさせ、大幅なコスト削減と信頼性の向上をもたらしました。マクドナルドは大量生産で価格を下げ、同時に品質を保証しました。
これらは、コスト・コントロールの典型といえます。 一般的な常識では、品質を上げればコストが上がり、コストを下げれば品質が下がると考えられています。品質とコストとは矛盾の関係にあるというのが一般の常識です。
I-TRIZは矛盾を解決する方法論ですので、品質とコストの問題もスマートに解決することを考えます。 I-TRIZでは、品質を上げて、コストを下げることを考えます。あるいは、コストを下げて品質を上げることを考えます。
このように、品質とコストとの矛盾を解決することをコスト・コントロールといいます。 品質(信頼性)の向上のためには、そのシステムの有害機能を排除、軽減し、有益機能を改良することを考えます。
コストは有害機能の一要素と考え、それを排除、軽減することを考えます。 コスト削減と品質改善を同時に目指すことは、製品・プロセスの改善であるからI-TRIZの中の発明的問題解決(IPS:Inventive Problem Solving)で対応します。
品質の悪化、不具合、望ましくない出来事などの原因の決定、排除、予防は、不具合分析(FA:Failure Analysis)で対応します。 潜在的な品質の改善および/または悪化の予測および品質の低下に関係した潜在的問題の解決は、不具合予測(FP:Failure Prediction)で対応します。
I-TRIZでは、コスト削減と品質改善のために、発明的問題解決、不具合分析、不具合予測を適用するために以下の5つのオペレータを使用します。 製品・プロセスの新世代を開発する必要がある場合は、「新しいシステムの合成」というオペレータを使用します。 ある主要機能を改善する場合は、「機能を遂行するための条件の修正」というオペレータを使用します。
システムを簡素化すべき場合は、「機能的理想性の簡素化」というオペレータを使用します。 システムの部品または単純な組立品を簡素化する場合は、「要素の理想化」というオペレータを使用します。
システムの有効性を改善し、コストを削減する場合は、「利用できる資源の利用」というオペレータを使用します。 それぞれのオペレータを適用する場合のより詳細な内容については、次回以降に説明することにします。