プロジェクトを成功させるために必要なこと

実際の業務上の問題解決にIdeation TRIZを使うプロジェクトには、問題解決の目的に応じて、(1)発明的(革新的)技術問題を解決するための発明的問題解決(IPS:Inventive Problem Solving)、(2)顕在している故障や不具合の原因を分析してその再発防止を図るための不具合分析(FA:Failure Analysis)、(3)潜在している故障や不具合を事前に予測してその未然防止を図るための不具合予測(FP:Failure Prediction)、(4)他社の特許権を回避および/または自社の発明を強化するための知的財産制御(CIP:Control of Intellectual Property)、(5)次世代の商品・サービスを企画するための戦略的世代進化(DE:Directed Evolution®)の5種類があります。

 

Ideation TRIZが実際の業務上の問題解決に有効なものかどうかを判定するために、本格プロジェクトを行う前にパイロット・プロジェクトを実施することがあります。

 

特に、問題を抱えている現場の担当者がIdeation TRIZを採用したいと考えた場合には、会社の了解を得るために最初にパイロット・プロジェクトを実施することになります。

 

パイロット・プロジェクトを実施する際の最大の関心事は、パイロット・プロジェクトが成功するかどうかということでしょう。

 

パイロット・プロジェクトを成功させなければ本格プロジェクトが開始できません。パイロット・プロジェクトを成功させるためには、それなりの準備が必要になります。

 

どのような準備が必要かは、パイロット・プロジェクトが失敗に終わるパターンを見ることでわかります。

 

最も多い失敗例としては、時間と費用の節約を優先するため、パイロット・プロジェクトに参加するメンバーに事前にIdeation TRIZの基礎的な教育を行っていない場合です。

 

この場合には、メンバーがIdeation TRIZの思考プロセスの各工程の意義を理解していないため、各工程での検討内容が単なる事務的作業のレベルに止まってしまい、心理的惰性が排除されないで普段通りのバイアスがかかったアイデアしか出ません。

 

特に、知識レベルの高い方の場合には、具体的な思考プロセスの工程の意味(なぜその工程を使わなければならないか)が理解できていないため、興味も湧かず不信感を持ったままやらされ感が残るだけです。

 

結局、従来のロジカル・シンキングやブレーンストーミングを使ったプロジェクトの場合との違いが実感できないため、パイロット・プロジェクトが終わったときの感想は、「意外性のない無難な問題解決策しか得られなかった」というものになります。

 

または、「自分が従来から考えていたアイデアが正しいことがわかった」というような、Ideation TRIZを自分のアイデアを肯定する材料とみなす意見が述べられることになります。

 

Ideation TRIZの思考プロセスの神髄は、心理的惰性を排除して普段の思考のバイアスを崩すことにあります。しかし、思考プロセスの一つひとつの工程に素直に取り組まない場合には、それが実現されないことになります。

 

パイロット・プロジェクトを成功させるには、メンバーの選定が重要です。メンバーが少なくともIdeation TRIZの思考プロセスの基礎的な教育を受けており、Ideation TRIZに興味を持っていること。また、当然ですが、プロジェクトのテーマに関する知識経験があることが必要です。

 

パイロット・プロジェクトは、Ideation TRIZの思考プロセスやテーマに関する知識を学ぶ場ではありません。Ideation TRIZの思考プロセスの手順に従って、実際の業務上の問題を解決するための方策案を得ることに集中する場です。

 

私たちは、本格プロジェクトまたはパイロット・プロジェクトを実施する前に、メンバーの方々にIdeation TRIZの思考プロセスの基礎的な教育を受けていただくことを勧めています。具体的には、以下のセミナーの受講を検討してください(詳細は弊社HPを参照してください)。

(1)発明的(革新的)技術問題を解決したいのであれば、発明的問題解決(IPS:Inventive Problem Solving)の体験セミナー

(2)顕在している故障や不具合の原因を分析してその再発防止をしたい、または潜在している故障や不具合を事前に予測してその未然防止をしたいのであれば、不具合分析(FA:Failure Analysis)の体験セミナー

(3)他社の特許権を回避および/または自社の発明を強化したいのであれば、知的財産制御(CIP:Control of Intellectual Property)の体験セミナー

(4)次世代の商品・サービスを企画したいのであれば戦略的世代進化(DE:Directed Evolution®)の体験セミナー