ひらめきが起きる人と起きない人

弊社では、昨年から古典的TRIZを進化させた現代版TRIZである「I-TRIZ」のソフトウェアを無料で体験できるセミナーを実施しています。
面白いことに、この無料体験セミナーに参加された方の反応は、自分の問題解決に役立ちそうだという方と、役立つかどうかわからない、という方にわかれます。 役立ちそうだという方は、私たちの説明を聞きながら実際にパソコンの操作して、自分が考えたことを入力した人です。
役立つかどうかわからないという方は、私たちの説明を聞いてはいるものの、パソコンの画面をマウスでクリックして表示される画面を目で追っているだけで、自分の考えを記録するようなことはしていません。
両者は対称的なタイプといえますが、これは参加された方の年齢や所属部署には関係ありません。 自分の考えたことをその都度入力した方は、もともと問題解決を実践している方であり、普段からよりよい問題解決方法を身につけようと考えている人です。
自分の考えを記録しなかった方は、自ら具体的な問題解決に取り組むことの少ない研究家タイプの方であり、自分の知っている問題解決法とどこが違うのだろうと考えている人です。
実は、他人が簡単に考えつかないようなアイデアというものは、知恵を出さないと生まれません。もちろん具体的なアイデアを完成するには、その分野の知識がなくてはなりませんが、それは専門家なら問題なく処理できることです。
知恵の元は誰でも持っていますが、知恵を出すのは訓練が必要です。また、自分が出した知恵なら人に提案する意欲とやる気が生まれるため、結果が着いてくることになります。 私たちが示した結果(手順とアイデア)を真似ただけでは、問題解決のやり方は身につけることはできません。
知恵やひらめきは、自分で考え抜いた人にしか手に入りません。 知恵を出したらおしまいではありません。あるテーマで知恵を出すと、それから以降、関連した知識や情報が向こうから自然にやってくることになります。すると、ますます問題の本質がよく見えるようになり、問題が解きやすくなるという性質があります。
知恵を出すのは肉体的行為ですから、繰り返し練習する必要があります。「I-TRIZ」は問題解決のツールであるとともに、問題解決のためのプロセスを教えるためのものですから、積極的にそのプロセスを使ってみるという訓練が必要です。
知識とは他人が考え出した知恵ですから、それを自分のものにしようとすれば、知識を問題と捉えて、自分なりに知恵を出して自分なりの考えをまとめなければなりません。 創造性や問題解決に関する本を読んだり、創造性や問題解決に関する話を聞いても、知恵は出ません。発明に関する本を読んだり、発明に関する話を聞いても、発明はできません。
知恵や発明は、自分の頭から生み出すものだから、自分の脳を使う肉体的作業によらなければなりません。 結局のところ、無料体験セミナーに新しい知識を吸収しようとして参加された方は場違いだったといいことです。 逆に、新しい問題解決の方法を身につけたいと思って参加された方は、無料体験セミナーが大いに役だったのではないでしょうか
これからも、無料体験セミナーを開催していきますので、新しい問題解決の方法を身につけたいと思う方やひらめきを手に入れたいという方は、是非参加してみてください。