システムが利用するエネルギーの「進化のライン」

システムが利用するエネルギーの進化のラインは、(1)エネルギー場の利用の主傾向、(2)エネルギー場の構造、(3)進化に伴うエネルギー場の利用の順序、(4)機械的エネルギー場との組み合わせ、(5)熱的エネルギー場との組み合わせ、(6)化学的エネルギー場との組み合わせ、(7)電気的エネルギー場との組み合わせ、(8)磁気的エネルギー場との組み合わせ、(9)電磁的エネルギー場との組み合わせ、が考えられます。

 

「エネルギー場の利用の主傾向」の進化のラインでは、①単極性のシステム→②単極性のエネルギー場の利用から、逆方向(逆極性)の場同士の組み合わせの利用への移行→③時間または空間において周期的に変化する場の利用への移行、④固有振動数の利用への移行、⑤インパルス性の場や勾配を持つ場(時間または空間において不均一な場の利用への移行)、⑥異なる方向の単調場の作用、異なる周波数の振動場の作用、インパルス性の場の作用などの組み合わせへの移行(それらの場の組み合わせの結果として、あるシステム効果を生み出す)、といったラインに従います。

 

「エネルギー場の利用の主傾向」の進化のラインの例には、①破壊のために一定の圧力を加える→②圧力を増加させてから一気に落とす→③周期的に圧力をかける、または超音波圧をかける→④共鳴振動を使って破壊する→⑤強い衝撃を使って破壊する→⑥一定圧と衝撃とを組み合わせる、などが挙げられます。

 

「エネルギー場の構造」の進化のラインでは、①エネルギーの働き方に空間的に何らかの構造を持たせることを考える(勾配を持った場、非対称の場、同じ形が反復する場、一箇所あるいはいくつかの場所に集中的に働く場、など)→②エネルギーの働き方に時間の観点で見た構造を持たせることを考える(漸増する場、漸減する場、変調する場、交互に逆転する場、など)→③空間・時間双方に関係する構造を持たせることを考える(定常波、移動する波、移動する光束、周期的にゆれる光束、など)→④システムあるいは使われている素材の固有振動数とエネルギー場の空間的あるいは時間的構造とを同調させる、といったラインに従います。

 

「進化に伴うエネルギー場の利用の順序」の進化のラインでは、①機械的作用→②熱的作用→③化学的作用→④電気的作用→⑤磁気的作用→⑥電磁気的作用といったラインに従います。

 

「① 機械的作用」では、物体の運動;重力;慣性;遠心力;圧力変化;内部応力;摩擦;表面張力、粘着など;流体力;気体力;爆発;衝撃;振動;揺動;音響(可聴下音、超音波、極超音波);などが挙げられます。

 

「② 熱的作用」では、加熱、冷却、熱(赤外)線、熱流、温度の安定化、温度勾配の利用、熱応力、温度ヒステリシス、温度境界層、熱ショック、熱サイクル、などが挙げられます。

 

「③ 化学的作用」では、分子の合成と分解;結晶、阻害物質の利用;高活性物質の利用、オゾン、フッ素、など;不活性物質の利用;重合、重縮合;生物化学の利用;匂い、味、などが挙げられます。

 

「④ 電気的作用」では、静電気、電荷による効果(帯電、各種放電など);電流、電流による物質への効果(電気分解、電気泳動など)、などが挙げられます。

 

「⑤ 磁気的作用」では、磁化、消磁、誘導、電流の生成、磁気力、電磁力、物質特性への効果、などが挙げられます。

 

「⑥ 電磁気作用」では、可視光、赤外線、紫外線の放射;電磁波、電波;各種の放射線、放射能、などが挙げられます。

 

「機械的エネルギー場との組み合わせ」の進化のラインでは、①機械的エネルギー場+熱的エネルギー場(機械的動作(摩擦、ランク効果、気体の圧縮と膨張、など)で加熱および冷却、など)→②機械的エネルギー場+化学的エネルギー場(機械的作用(たとえば、摩擦)の下での化学反応、など)→③機械的エネルギー場+電気的エネルギー場(機械的作用(摩擦による帯電など)による電界の生成、など)→④機械的エネルギー場+磁気的エネルギー場(機械的作用の下での磁気特性の変化(たとえば、衝撃による消磁)、など)、といったラインに従います。

 

「熱的エネルギー場との組み合わせ」の進化のラインでは、①熱的エネルギー場+機械的エネルギー場(熱機械効果(加熱や冷却による物体の機械的特性の変化、形状記憶、熱膨張、など)→②熱的エネルギー場+化学的エネルギー場(温度を変えることによる化学的プロセスの制御、など)→③熱的エネルギー場+電気的エネルギー場(温度を変えることによる電界の生成や制御、電子素子の熱結合、など)→④熱的エネルギー場+磁気的エネルギー場(温度を変えることによる磁界の制御、など)、といったラインに従います。

 

「化学的エネルギー場との組み合わせ」の進化のラインでは、①化学的エネルギー場+機械的エネルギー場(化学的作用による機械的エネルギー場(爆発、など)の生成、など)→②化学的エネルギー場+熱的エネルギー場(化学的な発熱反応、吸熱反応、など)→③化学的エネルギー場+電気的エネルギー場(化学的作用による発電(たとえば、電池内の反応)、など)→④化学的エネルギー場+磁気的エネルギー場(化学的作用による磁気特性の変化、など)、といったラインに従います。

 

「電気的エネルギー場との組み合わせ」の進化のラインでは、①電気的エネルギー場+機械的エネルギー場(電荷や電流の機械的作用、など)→②電気的エネルギー場+熱的エネルギー場(電荷や電流による加熱や冷却、など)→③電気的エネルギー場+化学的エネルギー場(電流の化学的作用(イオン化、電気分解、など)、など)→④電気的エネルギー場+磁気的エネルギー場(電流による磁界、電界と磁界の相互作用、電磁界、など)、といったラインに従います。

 

「磁界的エネルギー場との組み合わせ」の進化のラインでは、①磁界的エネルギー場+機械的エネルギー場(磁気的作用の下で生じる機械的現象)→②磁界的エネルギー場+熱的エネルギー場(磁気的作用の変化の下での温度の変化、など)→③磁界的エネルギー場+化学的エネルギー場(磁界による化学反応の制御、など)→④磁界的エネルギー場+電気的エネルギー場(交番磁界による電流の生成、磁界中の電荷軌道の変化、渦電流、など)、といったラインに従います。

 

「電磁的エネルギー場との組み合わせ」の進化のラインでは、①電磁的エネルギー場+機械的エネルギー場(光圧、放射線の照射や放射性崩壊による物質のサイズや密度の変化、など)→②電磁的エネルギー場+熱的エネルギー場(放射による加熱や冷却、渦電流(マイクロ波)による加熱、など)→③電磁的エネルギー場+化学的エネルギー場(放射による化学的変化の開始、活性化、不活化、など)、といったラインに従います。