空間で分離するオペレータ

前回は矛盾を解決するオペレータ(指針)として、
(1)空間を分離するオペレータ
(2)時間で分離するオペレータ
(3)構造の観点から分離するオペレータ
(4)条件・特性で分離するオペレータ
の4種類があるといいました。 今回はそのうちの空間で分離するオペレータについて説明します。 空間で分離するオペレータのグループは、システムの一部を異なる位置へ再配置するか、空間の1次元以上に関する部分の物理的な方向づけの変更を含んでいます。
空間で分離するオペレータには次の7つの種類があり、問題の性質によって適当なものを使い分けます。
(1)相反する要請を空間で分離する
(2)問題の部分を対象物から引き離す
(3)必要な部分を対象物から引き離す
(4)別の次元を考える
(5)反対側を考える
(6)入れ子にする
(7)通り抜けを考える
以下に、それぞれのオペレータの内容を説明します。
(1)相反する要請を空間で分離する システムに2つ以上の矛盾する作用、力、部分などが存在する場合は、物理的な空間によって互いから矛盾する要素を分けることを考慮してください。システムが矛盾している機能を行なうかあるいは矛盾している条件の下で作動するように要求される場合は、異なるサブシステムに個々の矛盾している機能あるいは条件を割り当てて、システムを分割してください。
(2)問題の部分を対象物から引き離す もしシステムのある部分が別の要素、力、または作用の進歩を妨げるならば、衝突を防止するためにより多くの空間を提供することを考えてください。 もしシステムまたはプロセスが、望ましくまたは不適当な特性、機能、特徴を持っているならば、 不適当な特性を備えた部分をそのシステムまたはプロセスから分けようとしてください。
(3)必要な部分を対象物から引き離す もしシステムまたはプロセスが、望ましい特性、不適当な機能、特徴を持っているのであれば、望ましい特性を持っているシステムまたはプロセスの部分を分離しなさい。いつも、そのオプションが考慮されるべきであるけれども、部分をシステムまたはプロセスから削除することが可能であるわけではありません。
(4)別の次元を考える 線形の配置が使用される場合は、螺旋のようなより複雑な配置、多数のライン(単純な形あるいは複雑になった形を備えた)、あるいは多数の三次元の表面を使用することを考えてください。システムがほとんど平面の方法で作動する場合は、上方へまたは下方に三次元に拡張することを考慮してください。システムの一部が水平な場合は、それを様々な程度に波形か複雑にすることを考えてください。
(5)反対側を考える 利用可能な領域を増加させるためには、物体の裏面を使用してください。消費可能資源については、何かを裏返しにひっくり返す、またはその資源の寿命を伸ばすために複数の回を通して循環しても、考えてください。両方の部品、または物の側面を利用することを考えてください。
(6)入れ子にする 物体の内部の空間を使用してください。特に、あるものの中に置かれる別のものの内部に1つの物体を置くことを考えてください。企業管理機構、軍事の命令系統、分類学および組織図のような階層的関係の中の要素を整えることを考えてください。
(7)通り抜けを考える 別のものを物体、力あるいは作用に通り抜けさせるか、または分離あるいは分割している障壁を通過させることを考えてください。