思い込み、先入観、固定概念のことをTRIZでは心理的惰性といいます。
I-TRIZ(Ideation TRIZ)では、心理的惰性を壊す方法としていくつかのツールを用意しています。
最初に、「視点の転換」という方法を紹介します。
目の前にいる人に自分が抱えている問題について説明するとしたら、どのように説明するとわかってもらえるか想像してきてください。
中学生を相手にするつもりで、問題についてわかりやすく説明してください。
職場で使われている専門用語を使わないで一般的な言葉を使ってください。
「視点の転換」では、説明する相手が以下のような人達だと仮定します。
(1) あなたが対象としているシステムに関して何も知らない人
(2) 縄文人
(3) 奇人・変人
(4) 宇宙人
さて、あなたならどのように説明しますか。
もう1つ、「極大・極小オペレータ」という方法を紹介します。
システムが持つ特性のうちのどれか、あるいはいくつかの値が2倍、5倍、10倍、50倍、500倍、または10000倍の規模で増減したら、問題はどのように変化するかを考えます。
たとえば、次のような項目について考えてください。
(1)寸法
(2)作用速度
(3)問題解決に要する費用
・百円で何ができますか?
・一億円で何ができますか?
また、温度、出力/作用力、効率、精度などのシステムの主要な機能に関連する特性値についても同じように考えてみてください。
さらに、特性値の正負が逆転したら、どうなるか考えてみてください。