問題の状況を見える化できるPF(Problem Formulator)

IdeationTRIZ(I-TRIZ)の手頃なソフトウェアとして、PF(Problem Formulator)といものがあります。

このPFは、今年の6月からアイディエーション・ジャパン株式会社が日本で販売することにしたものですから、一般にはまだ知られていないものと思います。

PFは、もともとI-TRIZの基本ソフトであるIWB(Innovation WorkBench)に組み込まれていたプロブレム・フォーミュレータという問題状況を図式化するための機能を独立させて、単独で使用できるようにしたソフトウェアです。

具体的には、
今抱えている問題を原因と結果という因果関係の連鎖で表現することで、問題状況を本人にはもちろん、第三者にも目で見てわかる図式(ダイヤグラム)にすることを目的としたものです。

実際には、原因や結果となる状況や現象を短冊状のカードに記入し、それぞれのカードの因果関係がわかるように矢印(例:原因→結果(原因)→結果)でつないだ図式(ダイヤグラム)を完成させます。

問題状況を表す図式(ダイヤグラム)が完成したら、その中の因果関係を辿ることで、どの原因に手を着ければその問題が解決できるかの見当をつけることができます。

原因や結果となる状況や現象には、望ましいものと、望ましくなくものとがあります。このうち、望ましいものを「有益機能」といい、緑色のカードで表します。また、望ましくないものを「有害機能」といい、赤色のカードで表します。

すると、図式(ダイヤグラム)に表されている赤色のカードの「有害機能」を排除・抑制することや、緑色のカードの「有益機能」を生成・促進することで問題解決できることが見えます。

また、意図した緑色のカードの「有益機能」を実現すると、副作用として意図しない赤色のカードの「有害機能」が発生する、といった矛盾する状況がどこにあるかが見えますので、その矛盾を解消すれば問題解決につながることがわかります。

ソフトウェアでは、これらの問題解決に関する方針が「問題文」として提示されますので、問題解決のアイデアを考える際には、提示された「問題文」の中から実際に検討するものを選択することになります。

PFは、さらに、問題解決のアイデアを適用した後の状況について図式化することで、新たに発生する二次的問題や潜在的不具合を発見するといった目的にも使用できます。