類似システムの知識を活用する

I-TRIZの基本ソフトウェアであるIWB(Innvation WorkBench)には、TRIZの基本である異分野の知識を活用して問題解決をする簡単な方法が示されています。
ここでは、IWBに掲載されている事例に沿ってその手順を説明します。
例によって、ソフトウェアからの質問に答える形で進めていきます。
事例:永久凍土地帯での建物は多数の杭を打った上に建てなければなりません。杭が必要な深さまで打ち込まれたことを確認する作業は測量装置を使って人力で行います。冬には気温が-50℃まで下がるので、測量は大変な作業になります。このような、極寒の地で多数の杭の測量をする効率的に行う方法はありませんでしょうか。
(1)類似の問題を抱えた他のシステムの見つけてください。
丸太を無蓋車に積んで輸送するにあたって丸太の体積を計算するために太さを測定しなければなりません。この作業は手間のかかる作業なので、丸太の輸送が遅れます。
(2)その問題は解決されましたか?そうだとすれば、どのようにですか?
貨車に積んだ丸太の写真を撮影します。丸太のサイズは後で写真上の太さに基づいて計算することができます。
(3)その解決策をあなたの問題に適用できますか?それが不可能だとしたら、なぜですか?
この方法を応用して、杭の打ち込み深さを測定する問題を解決するアイデアが得られました。地上に出ている杭の頭の写真をいくつかのアングルで撮り、次に、写真に写った杭の頭の長さを測ります。
(4)あなたの問題にその解決策を適用するためには、付随する二次的な問題を解決しなければならないとすれば、その問題はどんな問題ですか?
事例の類似システムとして選択した「丸太の太さを測定する方法」では、二次的問題がないためここでの検討は必要ありません。
もし、二次的問題がある場合には、以下のような二次的な問題に取り組む手順に従います。
二次的問題を解決するには、(1)標準問題のオペレータの中に該当する項目があれば、そのオペレータを適用します。(2)標準オペレータに該当するものがなければ、二次的問題用のテンプレートに沿って二次的な問題を定式化して、そこで提示されるオペレータを検討します。(3)また、当初の因果関係ダイヤグラムに二次的問題を書き加えて、新たに書き加えたボックスを選択して、ソフトウェアからブロックに関連する解決指針を得て、提示されるオペレータを参考にしてその指針に沿った実現策を検討します。