日本標準になるTRIZ資格認定の始まり

TRIZが日本に導入されてから15年以上立った今でも、TRIZが普及していない理由についてはいろいろなところで述べてきました。
一番大きな理由は、TRIZ(ここでは、アルトシューラが第一線で研究をしていた時代のTRIZ(いわゆる古典的TRIZ)をいう)の体系のすべてを学んで実務に応用しようとすると、150~200時間ほどの時間を要するからでしょう。
日本では、「1日でTRIZを教えてください。」という企業がほとんどですから、入口で拒否されてしまうわけです。
それでも、一部の熱心なTRIZファンによって、TRIZの一部である技術的矛盾を定義して発明原理を利用する方法だけを使った手法を社内に広めようという動きが続けられてきました。
自分の問題を「矛盾マトリックス(改良する特性と悪化する特性からなる2次元表)」で表された矛盾パターンのどれに当てはまるかを決めて、そこから示唆される複数の発明原理を使ってアイデア出しを行うというプロセスが新鮮だったためか、初めての方にはそれなりに興味を持っていただけたようです。
しかしながら、このやり方では、技術的矛盾が定義できないと問題解決のヒントとなる発明原理が使えず、その技術的矛盾の定義の仕方が面倒なだけではなく、同じ問題でも人によってその定義が違ったものになることから、実際に自分の問題に適用する際に自信が持てないという人がほとんどでした。
所詮、付け焼刃はそれなりの効果しか発揮されず、発明原理を使った方々からは、「オズボーンのチェックリストを技術分野に適用できるように複雑にしただけである。」といった意見が聞かれました。
その結果、原典である40の発明原理は多すぎるとして、矛盾マトリックスを使わずに(技術的矛盾を定義せずに)、使用頻度の高い8個だけでいいとか、12個でいいといった本まで出版されました。その反対に、最初から40個全部使えばいいという意見までありました。
そんなわけで、私たちがI-TRIZの教育やコンサルを始めた頃は、一昔前のTRIZを知っている人に聞けば「TRIZは使えない」、「TRIZは二度とやりたくない」といった後ろ向きの意見しかありませんでした。
私たちの活動は、このマイナスからのスタートではありましたが、ここに来てTRIZに対する企業の取り組みが変わろうとしています。
むしろ、個人の取り組みが変わろうとしているといった方がいいかもしれません。それは弊社の体験セミナーを受けた方々の行動に表れてきています。
弊社の体験セミナーを受けられる方々のほとんどが、TRIZという名前は知っているが具体的な方法論については経験したことがないということです。
そのため、体験セミナーの参加者にとっては、I-TRIZ=TRIZという概念が形成されるため、体験セミナーでの体験がTRIZについての評価になります。
I-TRIZでは、物事をいろいろな観点で観察する「システムアプローチ」という手法と、観察結果を誰でも理解できる因果関係ダイヤグラムに表現する「プロブレム・フォーミュレーション」という手法を使うだけで、その場で自分たちの力で演習問題が解けてしまうことを体験します。
一昔前のTRIZの難しさや面倒くささは、そこにはありません。そのため、体験セミナーを受けた方々のほぼ全員がI-TRIZを実務に使ってみたいといいます。
しかし、I-TRIZの基本ソフトウェアであるIWB(Innovation WorkBench)は個人で買える値段ではないということで、実務に使うまでには至りません。
そこで、今年から、弊社では従来教育機関にだけに販売していた個人用のソフトウェアを一般にも販売することを決定しました。また、9月からはその考え方と操作方法の教育、資格認定、ソフトウェアを一体化した教育パッケージを提供することにしました。
それが、I-TRIZ(IPS)1級・2級資格認定セミナーです。具体的には、アイデア発想テクニックを学ぶIBS(Ideation Brainstorming)2級認定セミナーと、問題分析テクニックを学ぶPF(Problem Formulator)2級認定セミナーを実施します。
私たちの経験では、この教育パッケージの場合、セミナー受講後からすぐに結果が出るため、今後TRIZ資格認定の日本標準になるだろうと自負しています。
より詳しい内容を知りたい方は、今すぐ下記のURLにアクセスして、自分自身で確認してみてください。きっと、すぐに申込みしたくなるはずです(20名限定)。
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