システムの理想性を高める進化のライン-(3)有用性と不都合な要因との相互関係の好転

今回は「理想性の向上」という進化のパターンに関連した進化のラインとして、「(3)有用性と不都合な要因との相互関係の好転」のラインについて説明します。

 

「(3)有用性と不都合な要因との相互関係の好転」の進化のラインには、(1)機能を残してシステムを消し去る、(2)技術システムの特性の改良、(3)セルフサービス・システム、(4)システムの最適化、などがあります。

 

「(1)機能を残してシステムを消し去る」の進化のラインでは、①特定の機能を実現する専用の要素。→②(要素の代わりに)エネルギー場を使った機能の実現。→③システムの資源を活用した機能の実現(たとえば、a.システムの他の要素を使う、b.システムの中に既にあるエネルギー場を使う、c.システムの使われていない空間を使う)。→④上位システムおよび周囲の環境の資源を活用した機能の実現(たとえば、a.環境内に既存の資源、b.無料あるいはコストの安い資源、c.当該システムと何らかの関係のある他のシステム)。→⑤機能の排除(当該の機能を使わないで目的を達成する)、のように進みます。

 

「(2)技術システムの特性の改良」の進化のラインでは、①機能の増加(重量、体積、面積、長さ、消費エネルギーなどとの比率での機能数の増加)。→②機能を実現することに要する時間の短縮。複数の機能を並行して実現する方式への移行。→③柔軟性を持ったシステムへの移行。→④システムの機能が実現される空間について理想性を実現する。→⑤システムによる自己復元、自己修理、自己同調、自動制御、自動学習、など。→⑥新たな原理に基づいて機能を実現するシステムへの移行、のように進みます。

 

「(3)セルフサービス・システム」の進化のラインでは、①すべて人が操作するシステム。→②システムの稼働中のセルフサービス(a.移動・搬送、b.準備機能、終了機能、c.モニター機能、d.作業制御機能)。→③メンテナンス関連のセルフサービス(a.作業状態から休止状態への移行、b.自己診断機能、c.可動へ向けた調整機能、d.損傷に対する防御・保護機能、e.洗浄・清浄化機能、f.修理機能)のように進みます。

 

「(4)システムの最適化」の進化のラインでは、①たまたまそのように設計されたシステム。→②システムの個々の要素の部分的最適化。→②システム全体の観点からの最適化。→③他のシステムとの関係を踏まえた最適化、のように進みます。