TRIZが普及しない理由とその対応策(導入段階編)

日本では15年以上前に、製造業を営む名だたる大企業がこぞってTRIZを採用した歴史がありますが、残念ながら現在一般の技術者には普及していません。
その当初からTRIZを採用した大企業でも、今では一部の技術者が使用しているだけで、全社的な取り組みとして継続しているところは数えるほどしかありません。
最近では、弊社の公開セミナーに参加されるほとんどの方が、TRIZという言葉を知らないといいます。弊社のホームページで初めて知ったとのことです。
名前を知らないモノ、コトは意識に上がらないわけですから、本人にとっては存在しないも同然です。何につけても、知名度の低さは致命傷ということです。
自分が抱えている技術問題が解けないとか、解けたとしても他社に先を越されてしまった経験があるなどで、技術開発の生産性を向上しなければならないという問題意識を持つことになり、ようやくTRIZというキーワードにたどり着いたとします。
そこからが大変です。インターネット上でたどり着いたサイトでTRIZの説明を読んでも、ほとんどのサイトがその手法の解説のみに終始しているため、自分にとっての効用がわかりません。
初めての方が知りたいのは、(1)TRIZが自分の抱えている問題の解決にどのように役立つのか、(2)役立たせるためには自分は何をすればいいのか、(3)手法の習得にどのくらいの時間がかかるのか、といったことです。
そこで、最初に入門レベルのセミナーを受けてみることになるでしょう。
入門レベルとはいえ、一般のセミナーではTRIZ特有の用語が出てくるので、それらの用語の意味を覚えるのがやっとといった具合です。肝心の手法の中身までは理解できないことがあります。
運よく、演習問題に取り組めるセミナーを受講できた場合でも、その問題自体が自分の技術分野とは関係のないものである場合には、興味もわかずうわべだけの取り組みといった感じで終わってしまいます。