アイディエーション・インターナショナル社が開発したIdeation TRIZ(以下、I-TRIZという。)では、イノベーション・ワークベンチ(IWB:Innovation WorkBench)およびプロブレム・フォーミュレータ(PF:Problem Formulator)というソフトウェアを使用して「原因結果ダイヤグラム」を作成することで、問題の状況を明らかにします。
I-TRIZで使用する「原因結果ダイヤグラム」は、問題状況を原因と結果の関係で結ばれた機能連鎖型ダイヤグラムで図式化します。 「原因結果ダイヤグラム」を使うと、システムの機能要素と、問題を発生させているメカニズムが図式モデルで理解することができます。
以下、アイディエーション・インターナショナル社の「原因結果ダイヤグラム」の作成方法について説明します。 まず、問題となっているシステムに関連する有益機能と有害機能を明らかにします。ここでいう機能とは、本来の機能だけではなく、働き、作用、プロセス、操作、状態を含みます。
システムに関連するすべての機能を、有益機能(緑色のボックス:四角の中に機能の内容を記入したボックス)と有害機能(赤色のボックス:角丸の四角の中に機能の内容を記入したボックス)とに分類します。
次に、有益機能のボックス(緑色)と有害機能のボックス(赤色)の1つひとつについて、次のように自問して答えを考えてください。
(1)その機能は他の機能を引き起こす/強化するか?
(2)その機能は他の機能を排除する/妨害するか?
(3)その機能は他の機能によって引き起される/強化されるか?
(4)その機能は他の機能によって排除される/妨害されるか?
そして、その答えに応じて新たな有害機能のボックスまたは有益機能のボックスを追加して問題状況の図式モデルを完成させていきます。 ボックスは2種類使用します。 緑色の四隅に四角い角があるボックスには、有益な機能、作用、状態を記載します。構成要素、条件、特性などを記載することもできます。
赤色の四隅に丸みがあるボックスには、有害な機能、作用、状態を記載します。 ボックスとボックスとを繋ぐ片矢印は2種類使用します。 一般的な片矢印は、「引き起こす、強化する」ことを表します。
矢印の根本側のボックスが原因を表し、矢印の先端側のボックスが結果を表します。 矢印の棒状部に直角方向の短い棒を付したものは、「妨害する、阻止する」ことを表します。 一般的な対立矛盾とは、ある有益機能が1つの有益機能を引き起こすと同時に1つの有害機能を引き起こしている場合であって、一つの有益機能のボックスから、別の一つの有益機能のボックスと、一つの有害機能のボックスとに矢印が接続された図が描かれます。