«

»

8月 24 2017

従来の類比思考とアイディエーション社の類比思考の違い

Ideation TRIZの「オペレータ」とは、アイデア発想する際のきっかけを与えてくれるヒントのことです。

 

オペレータという名称は、数学の分野でいう演算子(ある要素を別の要素に対応させる計算記号)という用語から採用したものと思われます。

 

つまり、特定の分野Aの特定の問題aが他の分野Bの別の特定の問題bと似ている場合に、前者の特定の問題aの解決方法xを後者の特定の問題bの解決に利用したらどうかという発想です。創造的思考の定番である類比思考に当たる考え方です。

 

研究者、技術者であれば自分が抱えている専門分野の問題については、特許情報や論文情報を検索して参考になるものを利用することは日常的に行われているはずです。それでも解けない問題の場合には、自分の専門分野には参考にできる情報がないということになります。

 

ですから、どうしてもその問題を解きたいとすれば、自分の専門分野とは異なる分野の知識を参考にするしかありません。そこで、類比思考が登場します。

 

有名な類比思考として、ウィリアム・ゴードン氏のシネクティクス、市川亀久彌氏の等価変換理論、中山正和氏のNM法などがあります。いずれの類比思考でも、自分が抱えている特定の問題bを解くために、他の分野Aの別の特定の問題aの具体的な解決方法xを参考にすることになります。

 

しかし、いずれの類比思考も、どの分野のどの問題を参考にするかは問題解決者が自ら見つけ出さなければなりません。従来の類比思考を使用する場合の難しさがここにあります。

 

いずれの類比思考も、「うそのない自然界の出来事を参考にしなさい」「自分がよく知っている異分野の知識を参考にしなさい」といいます。しかしながら、子供の頃に自然に触れていない(自然現象に関する肌感覚がない)現代の若者には自然界の出来事をイメージすることができません。また、高度な専門教育を受けてきた知的レベルの高い研究者、技術者の中には、自分の専門分野以外の知識に疎いという人が多いのではないでしょうか。

 

そもそも、自分の専門分野以外の知識を自分の専門分野の問題解決に使用するような経験を持っている研究者、技術者はほとんどいないのではないでしょうか。稀にいるとすれば、それは自分の専門分野とは異なる分野の趣味を持っている人がその趣味の世界の知識を使った場合ではないでしょうか。

 

そのようなわけで、現代の第一線で活躍されている若い研究者、技術者に、「類比思考を使うといいですよ」といっても、採用する人はいないでしょうし、採用したとしても使いこなすことを期待するのは無理でしょう。

 

Ideation TRIZの中で発明的問題解決を行うための代表的なソフトウェアであるInnovation WorkBench®には、類比思考のためのオペレータのタイトルが500以上あるといわれています。

 

これらのオペレータは、過去の製品や技術などの進化の過程を分析してイノベーションが生み出した結果を研究することで作られました。具体的には、客観的な資料として利用できる発明やそれに関連する世界中の特許文献(1990年までに調査された特許の総数は200万件以上)を分析して、先人の知恵を集めた知識ベースであるオペレータ・システム(オペレータを使うための体系)を作り上げました。

 

複数の技術分野で共通に使用できる一般概念を、あらゆる技術分野の特定の問題解決に役立てようとする意図から、個別のオペレータのタイトルは抽象的な表現のものになっています。しかし、古典的TRIZで使用されている40の発明原理である、「分割」「抽出」「局所的性質」「非対称」のような単なる名詞形の表記のものではありません。

 

オペレータのタイトルは、「複数の作用の適用」「エネルギーの集中」「環境の変更」「事前の逆の作用」「分割して相殺させる」といったように、「何をどうする」といった機能的表現が多く採用されています。そのため、使い込んでくると、オペレータのタイトルを見ただけで、具体的にどのよう方法を適用すればいいのかが直感的にわかるようになります。

 

もちろん、それぞれのオペレータには、オペレータの意味を表わす説明文と、そのオペレータが具体的に使用された事例についての解説と挿絵(一部挿絵のないもある)がついています。

 

そのため、問題解決者が自ら具体的な問題解決の事例を自然界や異分野から探すことなく、アイディエーション社が作り上げた500以上のオペレータとオペレータを使用した具体的な事例(2000以上)を利用することで、効率的な類比思考ができることになります。