未来制御という考えに沿った知的財産戦略の必要性

市場に変化が起きないとすれば、新しさを必要条件とするアイデアは不要ということになります。したがって、そのような市場が変化しない世界では、新しい技術的アイデアを保護する特許を取ることも無意味ということになります。
しかしながら、世の中が変化しない時代はありませんでしたし、今後も世の中が変化し続けることは間違いないでしょう。 どんなすばらしい発明であっても、その発明を特許出願してから特許が取れるまでに数年を要することはご存じのことと思います。
すると、発明や特許を経営に有効活用する知的財産戦略を考えようとする場合には、これから特許出願する発明が特許になるであろう数年後の市場がどうなっているかが、大きな関心事にならざるを得ません。
数年後の市場では、今出願しようとしている発明が見向きもされない状況になっているかもしれません。その場合には、その発明が特許されたとしても、企業にとってみれば利用価値のない特許を多くの費用をかけて取得したことになります。
そのようなことにならないためには、数年後ないし十数年後の将来(特許権の権利期間中)には皆が使うことになる(今はまったく知られていない)商品やサービスが流通している市場を予測できていなければなりません。
つまり、未来の世の中の状況を予測する→その時代に求められるサービスを予測する→そのサービスを提供できる商品を予測する→その商品を実現するための技術を予測することが、知的財産戦略策定の前提となります。 知的財産戦略にとって、未来の市場で要求される技術を守るための特許を取得することが重要なことがおわかりいただけたでしょうか。
技術開発戦略という観点でいえば、従来のような技術主導型の技術開発ではなく、未来予測型の技術開発が求められるということです。 では、どのようにして未来を予測すればよいか?「2020年の世界」というような本を読めばいいのでしょうか?
そのような本に書かれているのは現状の変化が将来も続くものとした場合の結果であって、すでにわかっていることが書かれているだけです。 仮に、それが正しい予測であったとしたら、結果的に皆が同じ将来を目指して進んで行くことになり、どの企業も同じような技術開発に取り組んでいる状況になるでしょう。
その結果、既存の未来予測に従えば、将来も自社の技術の優位性を獲得することは難しい状況になることでしょう。 未来予測に対するアイディエーション社の考えは違います。 どうしたら、現実の世界で起きている不連続な変化を予測し、優位性のある技術を獲得していくことができるかを考えます。
その1つの方法が、目的とする技術の起源を辿ることです。過去のことであっても、未だ解明されていない未知の事実は未来の世界のことと考えます。 具体的には、当時採用されずに消えて行った代替案を、現代の目で見直し、現代の技術で蘇らせることができないかを考えます。
これは、未来を予測するのではなく、未来を制御するといった考え方に基づいています。それをアイディエーション社ではDE(Directed Evolution:戦略的世代進化)といっています。 DEの考え方を知的財産の分野に適用したものが、CIP(Control of Intellectual Property:知的財産制御)です。
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