IdeationTRIZによる支援実例
事例: 特許にならない発明を改良して5件の特許取得

CASES of IdeationTRIZ in JAPAN

事例 4: 特許にならない発明を改良して5件の特許取得、1件は大企業に譲渡

年商約15億円の機械部品メーカー

機械部品メーカー
  • 2011年、そのメーカーの主力製品である自動車エンジンのある部品について、その性能を向上させる新構造を社長が発明し、特許出願しようとした。しかし、先行技術調査をすると、同じ発明がすでにドイツメーカーから日本に特許出願されていたことが判明した。
  • 社長は特許出願をあきらめようとしたが、当社コンサルタントの勧めで、その発明が解決しようとする問題に対して、新たな発明を生むための検討会を実施した。
  • 3日間の検討で、大きなコンセプトが2通り得られ、それをベースに実現性・性能・コストパフォーマンスの優れた発明が6つ生まれた。その6つの発明を特許出願した結果、1件は拒絶されたが、5件は特許になった。
  • 特許取得後ほどなくして、そのメーカーの得意顧客である大企業から、5件の特許のうち1件の特許が、その大企業で開発中の部品の構造をカバーしているため、その特許の使用を許可してほしいとの依頼があった。
  • 社長は、検討の結果、その特許をその大企業に譲渡し、対価として、受注増量をその大企業から得た。残り4件の特許も、同メーカーの製品で在実施中である。

社長の感想

5件の特許
  • 私の虎の子の発明が他社にすでに特許出願されていたことを知ったときは、非常に落胆しました。私が今までにお付き合いした他の技術顧問や特許事務所は、こういう状況を打開する技術的助けをしてくれませんでした。しかし、アイディエーション・ジャパンは違っていました。
  • アイディエーション・ジャパンは、まず1日かけて2つの新しい解決方針を考え出してくれました。その後、私と当社の設計部長で、その方針の実現性と性能とコストパフォーマンスを検討し、「全く問題ない、いやむしろ、私の発明より優れているかもしれない」と判断しました。その次に、アイディエーション・ジャパンの人と具体的な検討を深めて、6件の特許出願候補を考え出しました。
  • 6件の特許出願は、費用負担が大きいと思いましたが、当社の最重要な製品で、どの発明も捨てがたいので、思い切って6件全部を出願しました。数年後に5件の特許が取れました。
  • うれしいことに、当社の一番の得意先である大手の自動車部品メーカーの開発部長さんから、「あんたの特許が、ウチで開発している新製品にぴったりはまっていて、どうしても回避できない。なんとかしてもらえないか。それにしても、社長さん、よくこんな発明をいち早く考えられたね。あんたのところの開発力の高さに感心したよ」と言われました。
  • その特許はその大手企業に譲り、その代わりに、今後の受注量をかなり増やしてもらう契約を結びました。特許でこんないい思いをしたのは初めてです。