IdeationTRIZによる支援実例
事例: 3か月未解決の技術問題を3日で解決

CASES of IdeationTRIZ in JAPAN

事例 3: 3か月未解決の技術問題を3日で解決

年商約300億円の産業用光学機器メーカー

光学機器メーカー
  • 2010年、3年後の実用化を目指して開発中の新規レーザ装置において、開発チームは一つの重大な問題に苦しんでいた。この問題を解決しないと、中枢光学系が短期に破壊してしまう。
  • この問題に対し、最強の競合である米国メーカーが特許出願をしていた。開発チームは、その特許出願とは異なるやり方で問題を解決することに3か月取り組んだが、決め手となる解決策が見つからなかった。
  • そこで、当社に協力を依頼し、3日間検討した。結果、約10通りの解決策が得られたが、そのうち1つを当社コンサルタントはベストと判断し推薦した。
  • しかし、その策は、開発チームにとり突拍子もないものに見え、採用する気がせず放置した。
  • その3か月後、実験チームが偶然やった失敗がきっかけで、前述の解決策が非常に有効であることが判明した。早速、試作装置に組み込みテストしたところ、見事に問題は解決され、さらに、新しい副次的効果が得られて、装置の性能が一段と向上した。
  • この解決策をベースに、多数の特許を取得し、米国競合より優れた装置の開発に成功した。

チームリーダの感想

解決策の価値を認識
  • 私たちが3か月苦しんだ問題に対して、当社の知的財産部門がアイディエーション・ジャパン社を紹介してくれました。私は、気乗りしませんでしたが、キーエンジニアと一緒に同社をたずね、コンサルタントの勧めに従い検討会を行いました。正直言って「そんな簡単に問題が解決できるわけがない」と私たちは期待していませんでした。
  • その結果は案の定でした(と私たちは当時思いました)。とくに、コンサルタントが推薦した一つの解決策は、電界を利用するものでしたが、私たち(全員、電気工学には疎かった)には非現実的なものと思え、私たちは肩を落として帰りました。
  • その後、その解決策のことは忘れていたのですが、ある時、その問題の発生状況を計測しようとした実験チームが、「困った、計測できない。電界をかけて計測しようとしたら、問題の現象が起きなくなった。」と泣きついてきました。見に行くと、彼らはあの解決策と同じことを、計測の目的で行っていたのです。
  • 私はこのときはじめて、あの解決策の価値を認識しました。さらに、その解決策を試作機に講じると、今まで未解決だった他の問題も同時に解決されてしまったのです。ライバルの米国メーカーの策とは比べ物にならないくらい素晴らしい成果でした。