TRIZの実力と実際の製品・サービスとの関係

TRIZを勉強された方の中には、「TRIZは問題解決のコンセプトを生み出すためのものであって、そのコンセプトを実現するための設計的な要素については、TRIZの範疇でない」という人がいます。

これはTRIZに対するおおきな誤解です。

技術の歴史を振り返るまでなく、技術的問題の解決コンセプトである新しい発明が完成したとしても、それだけでは私たちの生活が変わるようなイノベーションは起きません。

発明を製品やサービスといった具体的な形にしなければ、消費者はその発明を評価することはできません。消費者が欲しいと思うのは発明や技術ではなく、それを実現した具体的な製品やサービスです。

企業の立場でいえば、そのような製品やサービスを提供することが仕事であるといえます。
したがって、TRIZによって、具体的な製品やサービスが生まれるというところまでの導きがなされなければ、TRIZが社会に役立つものであるとの評価は得られません。

「I-TRIZ (IdeationTRIZ)」には、一応の解決コンセプトが得られた後に、

(1) そのコンセプトを実現するために取り組まなければならない新たな問題(これを二次的問題という)を解決するという段階があります。
(2) また、将来そのコンセプトによる製品やサービスが世の中に出た際に、不具合が起きないように事前に不具合を予測しその対策を検討する段階があります。
(3) さらに、進化のパターン/ラインを適用することで、さらなる技術の進化を検討する段階があります。

「I-TRIZ (IdeationTRIZ)」には、古典的TRIZにはない、このようないくつかの新しい手法を適用することで、実現可能性の高い解決コンセプトに仕上げることができるといった特徴があります。